BMWジャパンから定期的に送られてくるニュースレターで、毎回腹が立つことがある。
ガストンやオリオールがパリダカで優勝したことで、GSは世界的に有名になったわけで、このニュースレターもことさらパリダカマシンを取り上げているが、じゃあ空冷OHVの旧型GSをディーラーに持ち込んでも、修理を断られるのはナゼ??
フラットがBMWディーラーをやめたのも、
「新型が売れないから旧型は修理するな」
とか、おやっさんがお客さんに整備している様子を見せたくて、わざわざ1階を工場にして、2階をショールームに作ったのに、
「おもてから見えないから1階をショールームに作り替えろ」
なんて無理難題を押し付けられたから。
4輪のBMWならむかしの633や、3.0csiを持ち込んでも修理してくれるのに、2輪のジャパンは真逆の対応。
なのでパリダカやガストンにあこがれて、バカ高いカネ出して100やハチマル、パリダカなどの、空冷GSを買った「夢見るおぢさんたち」は、ディーラーで修理を断られたあげく、ガレージフラットや神田川のよこっつの工場にたどり着き、細々と延命措置をしてもらっている。
今のバイクやクルマはコンピュータで動くので、メカニックの学校を卒業した若い子は、パソコンは得意でもキャブやダイナモの修理ができないとか。
修理だけならできても、「ゴッドハンド」と呼ばれたおやっさんのレベルになるための、経験する場がない。
パリダカで勝つためだけに「BMWワークス」が作り上げ、ガストンやオリオールがライドした、「GS」と呼ばれる以前のプロトタイプは、ウィリーもできない鈍重な100やハチマルはもちろん、現行の1250GSともまったく別物の、超ショートストロークの完全なレーサーだったことは、以前書いた。
もしいま超ショートストロークの「パリダカレプリカ」(もちろん空冷OHV)を販売したら、たぶん全世界的に1250GSをしのぐ大ヒットモデルになるだろうし、それなら私もぜひ欲しいが、メーカーもいまさら過去の遺物には戻れまい。
ディーラーが扱えない旧車を、販売のための広告塔に使い続けるメーカーは、笑止のひとこと。
ほんとうにBMWが好きで長年やっていたディーラーが、「販売不振」を理由にどんどんつぶれ、かわりに儲け重視で異業種から参入するディーラーが、増えている昨今。
ユーザーの立場に立った経営に戻ってほしいと、ニュースレターを見るたびに切に願う。