先月売った知り合いの自宅。
今月末の引渡し前に、ボランティアで家財の片付けへ。
土曜日朝の第三京浜は、これからツーリングへ向かうライダーでいっぱい。
私は仕事なのでうらやましい
横横道路を経由して現地に到着
築30年、延べ床60坪の家に、両親と6人姉妹が住んでいた。
両親も亡くなり娘たちも全員嫁に行き、空き家になって5年。
長女は85歳、6女でさえ75歳になって、3女も去年亡くなってしまい、今のうちに実家を処分することになった。
娘が6人いたので人形やぬいぐるみの数もハンパない。
これは「ほんの一部」
本来ならお寺で供養してもらうのがいいけど、ぬいぐるみと合わせて100体以上出てきたので、その場で供養して全部処分。
よく「人形には魂が宿る」なんて言われるし、人形のホラー映画も多い
不動産屋という仕事柄、いままで数えきれないくらい家の片づけをやってきたけど、お寺に持って行って供養したことは一度もない(今のところ「祟られた」ことは無い)。
30年前のバブルのころ、日本橋の古ビルを会社で買って、転売するため解体した。
解体業者から
「土のなかから{がん箱}が出た」
と電話があった。
ガンバコとは江戸時代の丸い「棺桶」のことで、よく時代劇に出てくるコレ
中をのぞくと「うずくまった」白骨がそのまま残っていた。
江戸時代はこのあたりまで江戸城の一部だったので、どこを掘っても遺構が出てくるので、本来は都に届け出が必要になる。
そうなると発掘調査が始まって、場合によっては数年かかることもあるが、そのあいだ都からはなんの補償ももらえない。
こちらは高い金利でノンバンクから購入資金を借りているので、万が一、調査が始まったら返済できず会社がつぶれる。
「いいからそのまま捨ててくれ」
と親方にお願いしたのがまずかったのか、バブル崩壊が理由かわからないが、会社は多額の負債を抱えて倒産した....。
片付け業者に処分の見積もりを頼んだら、「50万かかります」とのこと。
数年前なら30万でおつりがあったけど、産廃のゴミ処分とスタッフの時給が高騰していて50万かかる。
すこしでも多く売った金を分配してあげたいので、交通費と処分代だけの「実費」で私が請け負った。
仏壇も仏壇屋に処分を依頼すると「供養代含めて8万円」もかかるが、正直どこまでちゃんと供養するか分からない。
キンキラの仏壇は私の実家と同じ浄土真宗。
なので般若心経を5巻唱えて、私が「お魂抜き」することに。
破産したり夜逃げした家の片づけは、「悲惨を極める」ことが多い。
最低限の「身の回りのもの」だけ持っていくので、ガス台の上の鍋には味噌汁やカレーがそのまま残っていたり。
仏壇もお位牌もそのまま、なかには「骨壺」も残して行ったり。
片付け業者も慣れたもので、供養もせずにトラックの荷台に放り込んでいくが、だれも「祟られて死んだ」話は聞いたことが無い。
着物も数百枚残っていた。
「着物買い取ります」なんてCMをやっているけど、大島つむぎやよほど高価なものでない限り、タダでももっていかないので、全部ゴミ袋に詰め込む。
この家はとにかく「未開封」の洗剤やスプレー缶が多い。
「液体」は重くなるので全部トイレに流し
100本以上あるスプレー缶は、ぜんぶ中身を出して穴をあけて処分。
先日も室内でスプレー缶が爆発した事故があったが、「また不動産屋が」なんてニュースになっても困るので、窓を全開にして中身を噴射したが、キリが無いので缶の底にペンチで穴をあけて、いきおいよく放出。
夕方までかかってもまだ半分も片付かない。
鏡に映るのは幽霊でなく「お孫さん」
この鏡台も由緒あるものらしいが、大きすぎてて誰も引き取れず、処分することに。
ソファやダイニングテーブル、キッチンの片づけはまた明日にして、この日は終了。
そして昨日、仏壇の「お魂抜き」の儀式
そしてトラックへ
テレビと冷蔵庫、洗濯機は家電リサイクルへ。
近所に住む85歳の長女さんも、家に最後のおわかれ。
この日はなんとか日暮れまでに終了。
レンタカーのトラック代と市営のゴミ処分、家電の処分代あわせて、5万円で間に合った。
今月末には知り合いの設計事務所の移転の手伝い。
高齢のため事務所を閉めて、自宅に引っ込むことになったけど、こちらはほとんどが事務用家具と膨大な書類なので、こっちは業者に頼んだ方がいいかも。