4月30日に入院、5月1日に鎖骨プレートの「抜釘(ばってい)手術」、翌2日に無事退院しました。
事故したのはちょうど1年前の5月1日。
半年後の12月でも抜釘手術はできたけど、スキーシーズンが終わるまで延ばしてもらいました。
前回の入院は4人部屋。
「イタイイタイ」とず~っとうめいているおじいさんや、いびきがすさまじいおじいさんに挟まれて、ノイローゼ一歩手前。
なので今回は個室にしてもらいました。
窓からは品川プリンスホテルが。
ほんとうに静かすぎてこわいくらい。
酸素の装置ってカワサキ製だったのね
ほんとうに味気ない食事。
ふりかけを忘れたことを後悔
鎖骨と別にばね指の手術も同時並行
無事手術も終わり
バイクに使えそうなチタンプレートとビスだけど、どこにも使えないのね
ばね指手術も成功
指の「腱」に筋肉が癒着していて、はがすのが鎖骨より大変だったそう。
まだ傷口がくっついていないのに、先生がグイって指を伸ばしながら、
「毎日ストレッチで伸ばさないと、また動かなくなりますよ」
らしい。
30日18時の夕食を最後に、1日は絶食、2日の朝食まで38時間の「断食」
ふだんは黄色いおしっこが、断食したせいか透明になっていて、カラダが「浄化」された気分。
と医療従事者の奥さんに言ったら、
「点滴打ったから透明になっただけ。黄色いのがフツーなの」
と言われガッカリ
体重も2キロ減っていたので、このままダイエット兼ねてカラダを鍛えて、ボディメイクコンテストでも狙うか
手術後はもっと痛いかと思ったら、意外に大丈夫。
これならMTB乗れるかも?なんて思ったけど、傷口が完全にふさがって、ビスの穴がふさがるまで1カ月は、激しい運動はダメとのこと。
世間は連休だけど手術もあってどこにも出かける予定がない。
テレビでは観光地が大変なことになっているので、自宅で大人しくしているのがいいじつは何もなければ家にいるのが大好きな、「超インドア派」なのね。
娘も最近ハマっているアニメ「ゴールデンカムイ」を、netflixで見るのが一番みたい。
と、奥さんが突然「あした高尾山に行ってみたい」って。
私よりインドア派なのに、急に「島に行きたい」とか言う人なので、別に驚かないけど、鎌倉や江の島が大混雑なのだから、お手軽な高尾山も「ただ疲れに行くだけ」では?
それならいつもMTBで走っているオザトレの山を、ハイキングするのがいいのでは?
鎌倉みたいにアニメの聖地になっていないし、たぶん空いているはず。
オザトレの「ヌシ」のオザワさんに連絡して、5日こどもの日、一緒にハイキングしてもらうことに。
朝6時半に自宅を出発、都内も関越も流れていたけど、ふだんバイクなら1時間半で行けるところ、クルマは2時間かかって8時半に、オザワ邸に到着
家の裏山がもうハイキングルートという、ぜいたくなロケーションに
「ポツンと一軒家みたいね」
と驚く奥さん。
いきなりの激坂になにも知らずにつれてこられた娘は、
「なにも楽しくない」
「もう帰りたい」
ってブーブー文句を言っている。
休憩中もゲームで気を紛らわす
たしかに都会で生きるストレスを、山や自然で癒しに来ているオトナと違い、子供たちは何不自由ない都会の生活が一番楽しいのだから、つらい登山なんてやりたくもない。
小学生のときは甥っ子と「先を争って」山歩きしていたのに、無気力になってしまって残念。
ガレガレの岩場や急坂を見て
「こんなところ自転車で走るってアタマおかしいんじゃない?」
とあきれる奥様(ホントニソノトオリ)
1時間登っていつもの見晴らし台に到着したけど、娘の不満は爆発寸前。
「パパ、ここで待ってるからクルマで迎えに来て!」
って。
「ガイド」のオザワさん。
今日は快晴だけどモヤっていて、スカイツリーは見えない
けわしい下りは舗装路で迂回して下山
下りはひざに負担がかかるので、自転車のほうがラクだなぁ(楽しいし)
心配していた自転車通行禁止が現実に。
オフロードバイクやジムニーが荒らしまくるので、ハイカーや地元住民から苦情が噴出。
とばっちりでMTBも走れなくなったそう。
それでも他のルートはまだ走れるらしいけど、全面禁止になるのも時間の問題かな。
いつものお蕎麦屋さんに寄ろうと思ったら、定休日
ふだんは工務店をやっているご主人が、「日、月」だけ家族で営業しているので、金曜の今日はお休みだった。
山菜の天ぷらとそばを楽しみにしていた奥さんなので、オザワさんに他の店を聞いて、帰りがてら寄ることに。
と、疲れと不満でもう早く帰りたい娘は
「そばよりラーメンがいい」
「家の近所のマックがいい」
と大騒ぎ、面倒なのでそのまま帰ることに。
練馬IC近くで事故渋滞したけど高速も都内も流れていて、1時半に無事帰宅。
でも食事してゆっくりしていたら渋滞にハマったかもしれないので、次回は娘は置いて奥さんとふたりでそばを食べに行こう。
けっきょく娘への罪滅ぼし?で、「ゴールデンカムイ」全巻を買ってあげることに。
子供が親離れしていることを痛感した。
ポストをのぞくと郵便が
じ~じからジムニーの写真が
「5日にフランスへ行って、20日は四国の松山でモンゴルラリーの船積みです」
って。
プチスポンサーさんへステッカーを貼った写真を送ってくれた。
モンドモト、ヤヒロさん、タービュランスと私の会社、
こした積み重ねが40年以上、第一線でレースを続けてこられた秘訣。
実力があるからとチヤホヤされて、クラファンで資金を集めたのにアフターフォローが続かず、「一発屋」で終わるラリーストが本当に多い。
じ~じの爪の垢ならいくらでももらってくるので、煎じて飲んだ方がいいと、冗談でなく思う。
「サラリーマンだから休みが取れない」
「お金が無いからラリーに行けない」
「もう歳だから」
なんてできる理由より、できない理由を考える人ばかりだけど、御年81歳のおじいちゃんがやっているんだよ。
よく
「スガワラさんはお金持ちなんでしょうね」
なんて聞かれるけど、べつに貴族や皇族じゃないし、もう会社はテルちゃんに譲ったので、スポンサーさんからのサポートと講演会などで得た収入で、レースを続けているだけ。
最後のラリーと決めているアフリカエコレースは、ジムニーで参戦予定だけど、バギーでさえキツいコースや砂丘は、「ただの市販車」を改造しただけのジムニーでは、100%不可能(本人談)
ただ、そこであきらめるのはフツーの人。
このおじいちゃんは「じゃあどうやったら完走できるか」を、まず考える。
たまに砂丘のてっぺんにCPがあって、登らないとハンコをもらえないこともあるけど、登れなければ数十キロ、砂丘を迂回してもいいし、低いところを狙って登ることもできる。
そのぶんタイムロスして夜間走行が必要なら、ヘッドライトを増やせばいい。
今でこそセミワークスの日野レンジャーだけど、最初のころはとてもじゃないけど、砂漠を走れるシロモノじゃなかったそう。
タイヤや足回りを何十回も替えたり、ボディを軽量化したり、エンジンに手を入れたり。
その積み重ねが今につながっていることを、知っている人は本当に少ない。
61歳の私もつい弱音を吐きそうなときは、
「おじいちゃんが頑張ってるんだから、オレもがんばろう」
と励みにさせてもらっている。
「残りの人生を考えれば、今が一番若い」を合言葉に、スキーや自転車、あらゆるアクティビティや仕事にも、がんばるんじゃなくて楽しんでやっていきたいと、この写真を見て誓いました。