R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

サンローランと空き家問題

むかしローマの町をぶらぶら歩いていたら、1台のクルマが横に停まった。

金髪の白人「日本人か?」

わたし 「そうだ」

白人  「私はイブサンローランの社員で、ファッションショーでローマに来ている。

     これから帰るけどよかったら、ショーで使った服を買わないか?」

わたし 「いらない」

 

それからまた歩いていたら、1台のクルマが停まった。

白人 「日本人か?」

わたし「そうだ」

白人 「私はサンローランの社員でファッションショーが終わったので、これからフラ

    ンスに帰るけど、ショーで使った服を買わないか」

わたし 「いらない」

 

そしてまたぶらぶら歩いていたら、1台のクルマが停まった。

白人 「日本人か?」

わたし「お前もサンローランか?」

白人 「なんで知ってるんだ!!?」

 

冗談でなくほんとにあった話。

ヨーロッパの人に聞くと、ベルサーチやアルマーニなど、この手のサギはなんでもあるらしい。

と、サンローラン展の記事を見て思い出した。

 

「(長野県の)伊那の実家を処分したい」と知り合いから頼まれて、見に行くことに。

朝9時に出発、平日なのに談合坂SAはけっこう混んでいた。

せっかくなので諏訪南で降りて、小学校の恩師の墓参りで高遠へ

おなかいっぱいワインディングを堪能して、やっとたどり着いた。

荊口(ばらぐち)という集落で、かなりの山のなか。

前に来たのは19年前、Sさんとツーリングに来たついでに立ち寄って以来。

おじいちゃんわんこがお出迎え

お墓の場所を忘れてしまったので、住職の奥様に案内してもらう。

奥様は恩師と同級生で、昔の話をいろいろ伺った。

大卒1年目で小5の担任になったキタハラ先生。

授業をやめて生徒全員を川遊びに連れて行ってくれたり、休みの日は先生のクルマでドライブしたり、先生の下宿に入り浸ったりと、多感な子供たちにいろいろな影響を与えてくれた。

むかしはタバコを吸う先生が当たり前にいた。

キタハラ先生もその一人。

ほとんど一人の先生が教えるので、授業と授業の合い間も教壇の自分のイスに座って、タバコを吸っていた。

たまに放送で職員室に呼び出されるとき、火が点いたタバコをそのまま灰皿に置いて、職員室に行く先生。

タバコに興味津々の悪ガキたちは、かわるがわるタバコを吸って、みんな「むせて」いた。

そのうちタバコを吸うのが常態化して、親のタバコをくすめて数人で裏山で吸っていた。

小学校6年の歯科検診で、歯のウラのタバコのヤニを注意された、私を含めた男子5人は、一列に並んでキタハラ先生にビンタされたけど、結局やめられず27歳まで15年間、タバコを吸っていた,,,,,。

キタハラ先生は13年前、52歳の若さで脳腫瘍で逝去。

お盆にやった同級会も先生を偲んでみんなが集まった。

むかしは無かった電気柵。

シカやイノシシが農作物やお墓を荒らすそう。

住職は去年亡くなられたそうで、お嬢さんは跡を継がず、今は奥様が一人暮らし。

もうじき宗派から住職が「派遣」されるらしいが、過疎化は恐ろしい速さで進んでいるらしい。

 

そして伊那の物件へ

「まだ使えそうな古民家なら、リフォームして貸すか売ろうか」

と思ったけど、もう「崩壊」していた。

解体費と片付けに200万はかかるだろう(人件費とゴミ処分代が高騰しているので)。

田舎の土地は解体して「更地」にしないと売れないけど、周りも過疎化で空き家だらけ。

200万かけて更地にしても10万円でも売れないと大赤字なので、そのまま放っておいたほうがいい。

NHKでも特集していたが、空き家問題は本当に深刻。

高齢者が部屋を借りられない問題もあるので、あまっている空き家を貸せば一石二鳥♪

なんて思うけど固定資産税を払ってでも、空き家にしておける人は、孤独死や家賃滞納リスクのある老人には貸さないし、借りる側も交通の不便なところは敬遠するので、問題はいつまでたっても解決しないだろう。

 

私が長野出身だからと、長野県の土地の処分を依頼されることが多いけど、伊那と私の実家は200km以上あって、同じ長野県でもまるで接点が無い。

高速道路が無かったむかしは行くのも大変、というかもう「異国」。

なので伊那より近い新潟や山梨、群馬のほうが、親近感があったほど。

 

伊那に来たらローメンを食べてみたかったけど、過疎地にローメン屋さんはなかった。

とりあえずラーメン屋を発見

ローメンは無かったのでしょうゆラーメンをオーダー。

ローメンとは ↓

www.jalan.net

モンゴルのビバークでメェメェ鳴いているヒツジを解体して、晩ごはんで出されたのを見た私は、以来、マトンが食べられないので、ローメンが無くてホッとした。

そして家族へのお土産に地元のマルシェで

りんご「秋映え」を購入(これがほんとうに美味しかった)

田舎育ちの私のリンゴやモモの「美味しい基準」は、「歯が折れるほど硬くて甘い」こと。

東京生まれでスーパーの果物しか食べたことのない奥さんは、

「そんなのあるわけない」

と思っていたけど、実家に帰省したとき近所のモモ畑で、その場でもぎたてのモモを食べたとき、歯が折れるほど硬いのに、ものすごく甘いことに心底驚いていた。

高速に乗る前に給油しようとスタンドに寄ったら、

ハイオク195円とは。

新潟はハイオク175円なのに、長野は高いというのは本当だった。

L/100円だった昔がなつかしい。

帰りの中央高速は首都高まで続く大渋滞。

まだ明るいうちなので良かったけど、いくらすり抜けしてもキリが無くて、本当に疲れた。

伊那や高遠は涼しくてちょうど良かったけど、高速の甲府あたりで35度と、真夏並みの暑さで閉口した秋の一日だった。