30年くらい前、知り合いの不動産屋で働いていたとき、若い男女が部屋を探しに来た。
男性は帽子を目深にかぶり、腰まで伸びた髪にヨレヨレのTシャツとジーンズで、女性も同じ格好。
コンビニか居酒屋のおにいちゃんかな?と思ったけど、家賃を聞いたら「50万」って。
冷やかしでもなさそうだし、このエリアは芸能人や「なにをやってるかわからないけど金持ち」がたくさん住んでいるので、何件かマンションを案内した。
オートロック付きのマンションが気に入って、申し込みしたいって。
申込書を書いてもらうと職業欄に「ミュージシャン」って。
「XJAPAN」というバンドのメンバーがやめて、彼が加入することになり、部屋を探していたらしい。
決め手になったのは
「この格好で不動産屋に行くと、{仕事はなにしてるの?}{ほんとに払えるの?}としつこく聞かれたけど、SINANOさんはなにも聞かずに案内してくれたから、この人は信用できると思った」そう
ストーンズは好きだけど、「X」とかのビジュアル系は「1ミリも」興味が無かったが、大晦日に東京ドームで開催された、カウントダウンライブに招待してくれた。
そこはステージ前のアリーナ席で、座っている人はⅩとは無縁そうな年配ばかり。
彼女に聞くとメンバーの両親や身内らしい。
メンバーが登場した瞬間から5万人の観客が総立ち、絶叫のなか、私のまわりは誰も立たず、最後まで静かに聞いていたのを覚えている。
享年55歳、HE●THさんご冥福をお祈ります。
横浜に住む幼なじみから、長野の同級生が集まるので一緒に帰ろうと誘われて、彼のクルマで土日に帰省。
墓参りして
40年前は大学進学で上京しても、卒業後みんな地元に就職して、東京に残ったのは私だけだった。
彼も地元企業に就職したけど、10数年前に会社の業績が悪化。
取引先の横浜の会社に誘われて戻ってきたけど、本来なら長男として実家を継いでいたはず。
空き家になっている彼の家に泊めてもらうことに。
土曜は急に冷え込んで、あわててホームセンターでネックフリースと手袋を買った。
地元の居酒屋に中学高校の同級生6人が集まった。
帰省するたび個別には会っていたけど、こうして集まるのは10年、いや20年ぶりかも。
今年だけで数人の知り合いが亡くなって、いつ自分の番か分からない歳になったことを痛感。
今回も
「会えるときに会っておかないと」
「若気の至りで謝らなきゃいけないことは、今のうちに謝ろう」
そんな思いもあって参加した。
アタマも白くなり孫も出来て、高血圧や痛風のクスリを飲む人もいるけど、40数年前の高校時代の話で大笑い。あっというまの4時間だった。
翌朝はふたりで温泉へ朝風呂
夜に冷え込んだのか放射冷却で、街中が霧のなか
高山村のわらび温泉。
400円で入れるし、宿泊もできるようになっていた。
クルマ好きの彼の愛車 アルファ159
15年以上前のクルマなので、途中で停まらないか心配だった(@_@)
「須坂出身なら、とら食堂知ってるでしょ」
といろんな人に言われたけど、名前も知らなかった。
ここから車で5分が実家の彼も、「昔からあるけど数回しか行ったことない」って。
テレビのロケで何度か放映されたらしいが、この日も開店前に並んでいた。
こんなところに成田エクスプレスが!?
払い下げの成田エクスプレスや、小田急ロマンスカーも3両編成で走っていて、チョロQみたいでかわいい。
大学卒業と同時に地元に就職するのは昔の話で、同級生の子供たちもほとんどが、そのまま都会で働いていて、彼らも「帰って来い」と言えないらしい。
就職先が無いのが一番の理由だろうが、それでも何万人の人が暮らしているし、元気な企業もあるらしい。
刺激的で楽しいけど家賃含めお金のかかる都会より、実家に住めばタダだし、家賃も格段に安い地方のほうが、給料が安くてもはるかに暮らしやすいと思うけど。
夫婦ともに地方出身の知り合いは、子供が急に病気になっても頼れる人がおらず、有休を使い果たして困っていたが、田舎なら面倒を見てくれる親やご近所もいるので、子育ても安心のはず。
故郷を捨てた自分に言う資格は無いけど、この歳になるともう故郷に帰っても、仕事も無いし親や友人もどんどんいなくなるので、帰りたい気持ちがある人は、帰れるときに戻ったほうがいいとつくづく思った、今回の帰省だった。