久しぶりに知人で元野球賭博の胴元Kさんが訪ねてきて、世間話をしていたら「ドーン」と大きな揺れがきた。
少し待てば収まるかとじっと待っていたが、一向に収まる気配がない。
これはヤバいと急いでとなりの公園に避難すると、近所の人たちもぞくぞくと集まってきた。
無人のブランコは大きく揺れているし、電柱から垂れ下がった電線もなわ跳びのよう。
ラジオを聞いていると続々と被害情報が飛び込んでくる。
東京より東北のほうがひどいみたいだ。
うめさんやじゅんちゃん、いわきの人たちの顔が浮かぶ。大丈夫だろうか。
今日は妻は千葉で仕事。
帰宅は4時過ぎなのでちょうど電車に乗っているころか。
JRも全線止まっているらしいし、とりあえず娘を保育園に迎えに行こうかと思ったら、娘を抱っこした妻がひょっこり帰ってきた。
仕事が早く終わったので品川駅に着いて、ホームで山手線を待っていたらグラグラ揺れて電車が来なかったとか。
しかたないので大崎駅近くの保育園まで歩いて、娘を抱っこして歩いて帰ってきたそう。
本当に「母は強し」だと感心した。
昔、どこかのビジネスホテルに泊まったとき、夜中に地震があった。
廊下が騒がしいので出てみると、下着姿のインド人とおぼしき数人が何やら騒いでいる。
今のは何だと聞くので、「earth quake」と答えると、「oh!!!」と驚いていた。
インドには地震がないのをこのとき知った。
数年前の新潟中越地震のとき、たまたま実家の長野に帰省していた。
早めの夕食を食べていたとき「ドーン」と来たので、「ああ、最後は親と一緒なのか」と観念した覚えがある。
電話も通じないので仕事を早めに切り上げて、近所のスーパーへ3人で買い物に行く。
このときはそんなにひどい事態とは思っていなかったが、帰ってテレビをつけて驚いた。
津波に呑みこまれた車や家が、ものすごい勢いで流されている。
新宿に行く用事を思い出し、道路も混んでいるだろうとバイクで出かけた。
山手通りは雪が降ったときでもこんなにならないくらい、渋滞したクルマが動かない。
駐車しているクルマも多く、バイクもなかなか前に進めないので、あきらめて帰宅することにした。
歩道には帰宅する人があふれ、無理して歩いて足にマメができたのか、靴下を脱いでバンドエイドを貼っている人もいた。
携帯も固定電話もつながらないが、ネットやメールが通じることに驚いた。
ネットの道路情報は都内全域が立川まで真っ赤の表示が。
首都高は赤くなっていないので空いているかと思ったら、通行止めだった。
テレビでは渋谷駅上空からヘリのリポートで、大勢の人が何時間もバスを待っている。
断水になったときのために、バイク洗車用のポリタンク数個に水をためてから、親子3人でお風呂に入った。
「一歩間違えばこうしていられなかったかも」と、無邪気に遊ぶ娘を見ながら、無事だったことを神様に感謝。
寒いなかまだ家を目指して歩いている人も大勢いるだろうし、東北では雪のなか、避難所で夜を明かさなければならない人もいる。
明日になって状況が分かれば、もっと被害も出てくるだろう。
とりあえず皆さんのご無事を祈ります。