R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

大切な時間

渋谷駅と表参道のあいだに、小さな事務所を借りた。
 
理由は「通勤がしたくなった」
 
今の戸越銀座の事務所は自宅の1階。
毎朝の満員電車や渋滞も無縁。
一人親方の自営業なので、当然タイムカードも無く自由出社
(2階から1階への中階段を通って、いちおう9時には「出社」しているが)。
 
はたから見ればうらやましい環境らしいが、外出する用事がないと娘の保育園の送り迎え以外、一歩も外に出ないこともあり、メリハリがない(プチ引きこもり)。
 
娘が産まれてから夜の付き合いもほぼゼロ、
できるだけ家族と一緒にいたいので、仕事もかなりセーブしてきた。
 
よくある町の不動産屋さんと違い、看板も張り紙もせず紹介だけの、「一見さんお断り」で18年、
何で私がやっていられるのか、「業界の七不思議のひとつ」なんて言われるが、私にもよくわからない。
バブルのころから都心で働いていたので、地元より都心のほうがお客さんや知り合いも多く、
「戸越は遠くて行きづらいから、もっと{こっち}に店を出せ」と、ずっと言われていた。
 
娘も来年4歳。
病気がちな子供を持つ親御さんは、「有給も使い果たして、これ以上休んだらクビになる」と悲鳴をあげているが、ありがたいことに娘はたいした病気もせず、手もかからなくなってきた。
 
そろそろ事務所、というかブラっと立ち寄ってコーヒーが飲める、「談話室」のような場所を作れれば、と思ったのも、もう一つの理由。
 
今の事務所を貸してその家賃で借りようと思ったが、妻曰く「自宅の下に知らない人がいるのは怖い」と言われ、しばらくそのままに(子供のプレイルームか)。
 
それからが大変。
実は不動産という仕事をしていながら、不動産屋にはなかなか部屋を貸してくれないのが、この業界の常識。
 
理由は縄張りを荒されるのがイヤというのもあるが、昔から素行不良の人が多い世界というのが、一番大きな理由だろう。
 
カタカナ業界の友人知人が多いので、彼らの集まる恵比寿から渋谷、表参道あたりを探したが、断られること10数件。
 
地元で親の代から何十年もやっている、親しい不動産屋の友人も、
「昔、不動産屋入れたら家賃滞納されて大変だった」と、懲りた大家さんが入れてくれないって。
 
ヤクザっぽい不動産屋というより、本業はヤクザという不動産屋が、バブル当時はたくさんいたのも、業界の社会的地位を下げた要因か。
 
「ウチはヤクザと不動産屋に部屋を貸さない」と言った不動産屋もいたが、
それならアンタはなんなのかと、喉まで出かかった。
 
まぁ私も新宿駅前の雑居ビルを管理しているが、たしかに不動産屋の申込はすべて断っていたし、仕方ないことなのかもしれない。
 
最近は弁護士でさえ仕事がなくて家賃滞納。
法の抜け道を知っているので、追い出したくても追い出せないとか。
「ヤクザ・不動産屋・弁護士」が、貸さないブラックリストの御三家らしい。
 
 
神宮前になんとなく気になる物件があった。
でもいいかげん断れて続けて、疲れてきたので、これでダメなら安いワンルームでも買って、そこに引っ越そうかとも思った(買うなら文句はないだろう)
 
管理しているのは地元で40年やっている、老舗の不動産屋さん
電話じゃまた断られるのがオチだろうと、自転車に乗ってダメもとで飛び込んでみた。
 
同業者と告げると相手が困っているのが、手に取るように分かった。
 
不動産屋さん 「なんで戸越にビル持ってるのに、こっちに来るの?」
私     「通勤したいんです」
不動産屋さん 「え?…….
 
都心に知り合いやお客さんがいて、戸越は遠くて来てくれないこと。
自宅と事務所が近すぎて、気分転換に通勤したくなったことなどなど、
いろいろ話したら何となくわかってくれたらしい(たしかに分かりづらいなぁ)
 
「娘のお迎えがあるので、毎日5時半には帰ります」というのがよかったのか、
「あんた悪い人じゃなさそうだから」と、お目当ての部屋を見せてくれた。
 
そこは築40年のかなり「年季」の入ったマンションの一室。
もともと和室の2Kだったのを、今の流行りで洋間のワンルームに改造されていた。
 
可能であれば室内の模様替えをしたかったので、できるだけ古い物件が好みだったが、これはバッチリ。
 
なにより私の心をつかんだのは、シャワールームがあること。
 
もともと狭い浴室だったのを、事務所で貸すことも考えて小さいバスタブを撤去し、新たにシャワーを設置していた。
自転車通勤を考えているので、シャワーは必須。
暑い夏もシャワーがあればありがたい。
 
その場で申し込もうと思ったが、いちおう妻にも相談しないとならないので、「明日お返事します」と告げて、不動産屋さんと別れた。
その際に20数年来の友人で、マラソン&自転車仲間のYさんが、こちらも地元で老舗の不動産会社の役員なので、
「私の身元は彼に聞いてくれれば分かります」と伝えていたら、しっかり確認の電話をされていた。
 
Yさんから「電話があったから{彼なら私が保証人になってもいいですよ}と、
言っときました」って(サンキューYさん)
 
翌日申し込み、大家さんの了解ももらえて、速攻で契約を済ませる
(やっぱりやめたと言われたら困るので)
 
どこの馬の骨とも知れない私を入れてくれた、「心の広い」不動産屋さんと大家さんにも、感謝の気持ちでいっぱい(「カタギの人(?)」を入れたほうが100倍ラク)。
 
床はフローリングに替えられていたが、キズが付きやすいタイプだったので、今の事務所と同じムクの板を上から「敷く」ことにした
(貼り付けると将来出るときに面倒なので)。
 
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この板を敷いていく
角や隅は寸法が合わないが、将来ここが手狭になるか、やっぱり戸越に戻るとき、次に持って行けるよう板をできるだけ切りたくない。
なんとか最小限のカットで敷きつめて終了。
すきまには割り箸を突っ込むが、どうせ本棚や家具で見えなくなる。
 
 
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平日、仕事の合間に作業に行って、昨日やっと敷き終えた。
 
道路が狭いのと近隣がうるさいらしく、 マンションの前に自転車を停めても苦情が来るらしい。
 
大工道具など自転車や電車で運べないものはバイクで運んだが、駐輪場が近くにあるのか心配だった。
 
近所でデザイン事務所をやっている友人に聞くと、宮下公園横に200台以上停められるバイク置き場があるらしい。
 
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かなり離れた渋谷区役所の駐輪場しかないと思っていたが、ここはガラガラ。
事務所まで5分かからない。
 
右側のブルーシートは、以前強制退去で問題になったホームレスのテント。
今も相当数の人が住んでいるらしい。
 
年内に「カフェしなの in 神宮前」がオープンできればいい。
 
 
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大崎駅前がイルミネーションできれいらしいので、3人で見に行った。
「わあ~きれい~」
何でも素直に感動する娘に癒される。
 
先週の日曜は妻が仕事。
娘は水族館か動物園に行きたいというが、コンコンと咳をしている。
ちょっとカゼ気味なので室内で遊べる、近所の児童館へ出かけた。
 
あとから遊びに来た親子が、おにぎりを食べ始めたのを見た娘。
「おにぎりたべた~い」って。
 
そろそろお昼ごはん
いつもは行かないスーパーでおにぎりを買って、家で食べることにした。
 
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なぜか近所のスーパーでは売っていない、チャルメラを即買い
(パッケージがオシャレになっていた)。
 
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子供の頃、これに魚肉ソーセージを入れるのがごちそうだったが、妻は魚肉ソーセージを知らなかった(お嬢さまなのだ)
 
砂漠で食べるチャルメラが、世界で一番美味しいと思うが、 
今日はキャベツとニンジン、キノコをたっぷり入れた野菜ラーメン。
 
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生野菜は食べたがらないが、ラーメンに入れてやるとバクバク食べる。
(この前にシャケのおにぎり1個食べてるのに、ペロッと平らげた)
 
木曜金曜は保育園のイベント「ひらつかっこランド」が開催される。
なぜこの寒い時期にと思うが、園庭を遊園地に仮定して、メリーゴーランドや迷路、売店やダンスのステージなど、盛りだくさんの内容。
 
木曜に予約していたが急な用事が入り、園に電話して金曜に変更してもらう。
 
夕方、お迎えに行くと「パパ、なんできてくれなかったの~」と。私の胸で号泣.....
 
先生には連絡したが娘は聞かされておらず、ずっと泣いていたらしい。
 
「明日は必ず行くからゴメンね」と謝り、なんとか許してもらった。
 
翌日
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私を見つけて満面の笑み
 
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平日に関わらずたくさんのお父さんお母さんが。
 
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ゴーカートちゅう
 
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自分で「馬」にまたがり円を回る、
「メリーゴーラウンド」
ドリフのコントを思い出した
 

おなかが空いたので、砂のプリンをバクバク
 
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おねえさんクラスは先生と一緒にフラダンスも。
 
こんな笑顔がいつまで見られるのか。
そしてこれだけ喜んでくれる姿を見ると、この子のためならなんでもと思う。
 

別れ際、
「パパといっしょにかえる~」って、大泣き。
 
このあとの仕事を全部キャンセルして、連れて帰ろうかと真剣に考えた。
 
子供が相手をしてくれるのは、長い人生のごくわずかな時間。
 
どんなに忙しくても誰に恨まれようとも、この時間を大事にしたい。
 
 
8日はジョンレノンの命日
幼い息子を残して死んでしまうのは、同じ親として辛すぎる。
 
そして