R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

ピンポンおばけ

給湯器が壊れてお湯が出なくなったので、ワダケンに修理をお願いしたら、
水道屋のたーちゃんが、仕事の合間に見に来てくれた。
10年目なので修理も可能だが、費用も掛かるので交換したほうが無難らしい。
交換をお願いしたが早くて工事は翌日で、今夜は風呂に入れない。
 
今夜は妻の当直日、
いつものように保育園にお迎えに行き、夕食を作って食べさせたあと、自転車に二人乗りして近所の「戸越銀座温泉」へ行った。
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実家に帰省したとき行く市営の温泉、「湯っくらんど」が大好きな娘。
 
正月の3日も突然「おんせんいきた~い」と言い出した。
近所の戸越銀座温泉は休みだったので、こちらも近所の「武蔵小山温泉」へ、自転車で行った。
正月なので脱衣所も風呂も大混雑。
やっとの思いで娘を風呂に入れ、狭い脱衣所で髪を乾かして、すっかりカラダも冷えて帰宅した。
「やっぱり東京で温泉なんて、入るもんじゃないなぁ」
なんて思っていたが、給湯器が壊れたのでは仕方ない。
 
と思っていってみたら、戸越銀座温泉はガラガラ。
番台のおばさんも
「昨日は混んでたけど、今日はどうしたのかねぇ」って。
 
おかげで内風呂も露天風呂もゆっくり入れた。
 
むかしは温泉で騒ぐ子供がうるさくて仕方なかったが、自分の子供となると話が違う。
いっちょまえに湯船に浸かる姿も、かわいくて愛おしい反面、あと何年、一緒に入ってくるのかと思うと、ちょっと悲しくなる。
 
ここに来たのは6年ぶり。
結婚して妻が同居したとき、家の内装工事が終わらず、毎晩二人でここに来ていた。
品川区の温泉は黒いお湯が特徴で、お肌がツルツルになるが妻はこれが苦手。
なので当直明けにここに来るのが憂鬱らしい。
 
娘と二人乗りで帰宅したが、まだカラダはホッカホカ。
冷めないうちにベッドに入り、絵本を読んであげる。
ふだんなら私のほうが眠くなるのだが、この日は保育園でよほど遊んだのか、2冊目の途中で娘が眠ってしまった。
怒っても笑っても泣いてもかわいいが、やっぱり寝顔が一番かわいい。
しばらくくすぐったりつねったりして遊んでいたが、子供は一度寝るとぜったい目を覚まさない。
つまらないので私も寝てしまった。
 
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 翌日たーちゃんが来てくれて、給湯器を交換してもらった。
おかげで当直明けで疲れて帰宅した妻も、「まさかの」お風呂に喜んでいた
(ワダケン、たーちゃん、ありがとね)
 
その日の夜9時ごろ、家のインターフォンが鳴った。
「こんな時間に誰だろう」と思いながら、インターフォンのモニターを見ると誰もいない。
念のため外に出ても、やはり誰もいない。
 
「イタズラかな」と思ったところで、また「ピンポ~ン」って。
 
モニターを見ても誰もいないし、外もやはり誰もいない。
 
「ぜったいイタズラだな」
捕まえてやろうと玄関で待っていると、「ピンポ~ン」って。
ドアを開けても、やっぱり誰もいなかった。
 
そのあとは1分おきに「ピンポンピンポン」鳴りっぱなし。
 
ベッドで半分寝ていた娘も
「こわい~」と泣き出した。
 
「そういえばモニターの下に白い{影}があったなぁ」
 
「ひょっとして病院の母親に{何か}」あって、{お別れに}来たのかなぁ」
 
なんて思ったとたん、背筋にゾゾ~と寒気が.....
 
モニター側の電源を抜いたが、
「これでも鳴ったらどうしよう.....」
 
そう思ったらまたぞぞっとしたが、とりあえずピンポンは止まったらしい。
 
翌日またワダケンに電話したら、今度は電気屋のこーちゃんが来てくれた。
「ピンポンピンポンうるさくて」というと
「典型的な寿命の症状ですね」って......。
 
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給湯器と同じく10年前のもので白黒だったが、最新型はカラーでかなり薄型。
 
実家の裏には梨畑があり、小さいころ悪いことをすると、夜、梨の木に縄で縛られた。
「大声出すとオバケがさらいに来るぞ」と父に言われ、
真っ暗ななか泣くにも泣けず、いろいろな{何か}も見えるし、
30分くらいして母親が迎えに来てくれるまで、生きた心地がしなかった。
今なら間違いなく幼児虐待で通報されるところだが、近所の家も
「またあのイタズラ坊主か」
って{あたたかい目で?}見守っていてくれた(いい時代だったなぁ)
 
保育園から帰った娘は、直ったインターフォンを見て
「これでもう{ピンポンおばけ}こないよね」って。
 
よほど怖かったんだろうナ
 
「こわがらせてごめんね」と、ぎゅっと抱きしめたら、
 
「パパもこわかったでしょ」って、ぎゅっと抱きしめ返された.....
 
ぶわっと涙があふれて、娘の顔がぼやけた。